今回紹介する本は…
この内容は珍しく長く書いてます。
15〜20分かかると思います。
この内容は、自分がドイツから帰国後に
筑波大学の藤本教授から
紹介していただいた本になります。
「菊池くんが言いたい内容は
この本の内容であっているかな?」
このような形で紹介していただいた本です。
本を読んだ感想としては
・ドイツ行く前に読みたかった…
・ドイツで見て、体験した内容の6割は書いてある
・日本語でこの内容の本あるんだ…
この本はハンドボールの指導方法は書いてなく
サッカーの指導方法が中心になっています。
体育の教師やスポーツトレーナーにも
おすすめと書いてあります。
内容はデータがあったり、カタカナだったり
少し難しい内容もあります。
この記事ではなるべくデータやカタカナを使わず
書いてある内容やドイツで体験したことを
含めて要約してみました。
結論から言えば
伝統的な指導者主体の指導から
エコロジカルアプローチによる
環境を作ってあげる指導に変えませんか?
長いですがよろしくお願いします!
エコロジカル・アプローチとは?
簡単解説
エコロジカルアプローチとは
指導者は練習や指導で状況や課題を提示し
選手がそれに対処することで
能動的に学ぶ機会を提供します。
教育や指導の領域で広く用いられる概念であり、従来の指導法とは異なるアプローチです。
このアプローチ[指導方法]では、
学習者や選手たちが自ら問題を発見し、
解決策を見つける過程を重視します。
選手たちは自分たちで問題を見つけ、
解決策を模索することで、
より深い理解とスキルの獲得が可能となります。
日本でも取り入れようとはしてますが
現実を見てしまえばできているチームや
学校教育現場は一部になっています。
エコロジカル・アプローチが
選手たちに与える影響
エコロジカル・アプローチを導入することで、
子どもたちの問題解決能力が向上し、
自主性や創造性が育まれます。
選手は様々な状況に柔軟に対応し、
チーム全体の成長に貢献します。
単なる技術や戦術の向上だけでなく
選手たちのキャラクターやリーダーシップ能力の発展にも寄与します。
チームの一員としての責任を理解し、
自ら進んで行動することで、
より意欲的に成長していきます。
ハンドボールの指導において
選手のスポーツ経験を人生の経験にも可能にする
ポテンシャルを秘めています。
ヨーロッパのハンドボールでは…
サッカーで多く導入されているこの指導を
バルセロナやPSG、Sporting CPなど
サッカークラブも持つチームが
ハンドの指導にも活かしたのが
15年ほど前から広まったきっかけです。
従来の伝統的な指導法とは
従来の指導法はに日本でもよく見る
指導者中心であり、選手たちの自主性や創造性を十分に育むことができませんでした。
指導者が主導する繰り返しの練習は、
選手たちに与えられた指示に従うことを重視し、
個々の能力やニーズを無視している面があります。
このような環境では、
選手たちは単調な練習に飽きやすく、
問題を発見し解決する能力を養う機会が
限られています。
また、指導者中心のアプローチは
選手たちの関心や興味を考慮せず、
彼らのモチベーションや情熱を
引き出すことが難しいです。
ドイツで体感したことです。
正直な話をすれば
指導者中心とするチームもありました。
それはU19,21や2ndチームなど
プロに近づけば近づくほどその傾向が
多くあったかと感じています。
それは”結果”が求められるプロで
指導者も選手も職を失うリスクがある中で
最終的な判断を指導者が決定することが
チームを勝たせるのに有効的だからです
逆に言えば、自分の習った地域で
U7.9.11.14.16の年代では
指導者中心のアプローチはしてません。
それは”その年代での勝ち”よりも
”世界で成功を収める人材を育成する”という
Topカテゴリーの勝ちや
未来の人材を育成するためです。
自身がブンデスリーガ4部[2021]のIntraktivと
契約を結んだ時にオーナーに言われたことです
子供達[選手]を否定するような指導をするなら、あなたに熱量があってもその日づけで今後の練習参加を許可しない
自分としては”この文化”を学びたかったので
嬉しくも思いつつも、身が引き締まりました。
指導者1年目という一番大切な時期に
今後の人生につながる大事なことを学びました。
ハンドボールの”指導”の他にも
繋がる考え方だと感じています。
子供達は未来です。
その業界、その国の未来を作る人材です。
今、目の前の選手に指導してる内容で
その業界の未来が
良くなるかもしれないです
悪くなるかもしれないです。
子供達に環境や指導によって
未来のハンドボール界に”投資”をし続ける。
そういう想いでGK指導を広めています。
指導方法の変化
エコロジカル・アプローチの導入
現状の課題と
エコロジカル・アプローチによる解決
現在の指導法では、指導者中心の指導により、
選手たちの自主性や問題解決能力が
育まれにくいという課題があります。
エコロジカル・アプローチの導入により、
選手が自ら学び、成長する機会が増え、
より良い指導が可能となります。
エコロジカル・アプローチ実践の
6つのポイント
エコロジカル・アプローチを実践する際には、
以下のポイントに注意することが重要です。
①考える力を育てる練習法を取り入れる
選手たちが自ら問題を発見し、
解決策を見つける能力を養う練習方法を
導入します。
例えば、特定の状況下での戦術を
模倣したシミュレーションゲームや、
自分たちで戦術を考えて実践する練習を行います。
自分の出張指導に動く時間と同じくらい
”話し合い”が多いのはこれが理由です。
②問題設定の工夫をする
練習内容やゲームの設定を通じて、
選手たちにさまざまな課題を提示し、
考える力を促進します。
これにより、単純な指示に従うだけでなく、
戦術的な判断力が向上します。
例えば、複数の解決策を提示などがあります。
1回の練習内容の多様化を図る
1界の練習で同じ単調な練習ではなく、
様々な選択肢がある練習を行います。
これにより、選手たちは
様々な状況に対応する柔軟性を身につけます。
例えば、
多様な練習メニューを提案する
選手たちの興味や能力に合わせて、
様々な種類の練習メニューを提供します。
自分に合った練習を行うことができます。
例えば、異なる種類の器具や道具を使用して、練習内容を多様化させます。例えば、ボールの種類や大きさを変えてプレーする、障害物を配置して技術や判断力を鍛えるなどの方法があります
これらの方法を組み合わせて、
1回の練習で選手たちが
様々なスキルや状況に対応できるようにします。
実践的なゲーム形式を導入する
実際の試合で必要とされるスキルや戦術を、
ゲーム形式の練習で身につける機会を提供します。
これにより、選手たちは試合中の状況により即座に対応できるようになります。
例えば、ルールとは異なる
フィールドサイズやプレイヤー数でのゲームで
そこに話し合いの時間を多く取り入れる。
制約を設けた練習を活用する
特定の条件や制約を設けて行う練習を通じて、
選手たちの柔軟性や創造性を促進します。
これにより、彼らは困難な状況でも柔軟に対応できるようになります。
例えば、片手のみでプレー
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日本のハンドボール界の
基礎練習の課題と解決策
基礎練習の問題点
日本全国で見られる
ハンドボールの基礎練習には、
以下のような問題点があります。
練習内容の単調化
練習内容が単調化すると、
選手のモチベーション低下や
学習効果が鈍くなるという問題となります。
同じ練習の繰り返しは、
初期には基礎技術の向上に
寄与するかもしれないです。
しかし、時間が経つにつれて
選手は新たな挑戦や学びの機会を失い、
成長が停滞します。
また、創造性や戦術的な思考の発展が抑制され、実戦での多様な状況への適応力が育たないです。
選手が全体として向上するためには、
練習に変化と多様性を持たせることが
不可欠です。
創造性や自主性の欠如
指導者主導の練習が多いため、
選手たちの創造性や自主性が育まれず、
試合での柔軟な対応が難しくなることがあります
例えば、6-0DFから3-2-1DFに変わった瞬間に
足が止まり、5回の攻撃で0得点というのは
日本の学生ハンドのあるあるです。
練習では、指導者が言っていた
6-0DFの攻略方法しか教わっていないから
教わった6-0DFの攻略しかできなくなります。
ハンドボールにおいて
創造性や自主性が欠如すると、
試合中に予期せぬ状況に対応できなくなります。
全員が同じ動きや戦術のみを学ぶため、
相手に対する予測不能なプレイを生み出せず、
攻撃の多様性が失われます。
また、自主性の不足は
選手のモチベーション低下に繋がり、
競争力の向上を妨げる大きな障壁となります。
したがって、選手一人ひとりの創造的な思考と
自立した学習能力の育成が、
チームの成功には不可欠です。
エコロジカル・アプローチの導入による
解決策
エコロジカル・アプローチを導入することで、
以下のような解決策が考えられます。
練習内容の多様化
様々な練習やゲーム形式を取り入れることで、
選手たちの興味を引き、
練習効果を高めることができます。
練習内容を多様化することで、
選手のスキルセットは広がり、
様々な状況に柔軟に対応できるようになります。
新しい技術や戦術に挑戦することで
創造性が刺激され、
選手のモチベーションも向上します。
チーム内のコミュニケーションと協力も深まり、全体のチームワークの強化にも繋がります。
子どもたちの意見を取り入れた
練習メニューの開発
選手たちがTR開発に参加することで、
より適切な練習メニューを作成し、
興味やニーズに合った練習を行うことができます。
選手の自主性と責任感が高まります。
また、子どもたちが自ら考え、
提案する過程で創造性や問題解決能力が育ち、
チーム内でのコミュニケーションが活性化します。
これにより、より充実した練習環境が整い、選手個々の成長だけでなくチーム全体の結束力も強化されます。
これからのハンドボール指導法への提案
考える力を育てる練習法
チームの選手たちが自ら考え、
問題解決できる能力を高める練習法に
ついて考えたことはありますか?
指導者がよく言います!ここ最近の選手は
積極性がない
能動的に動こうとしない
言ったことしかやらない
と言った内容をよく耳にしますが断言します。
それは違います。
指導者が選手自ら考える環境を作れてない
指導者が”環境”を作れていません。
この答え一択です。
「考える力」を養う練習は、
選手たちのスポーツに対する理解を深め、
試合中により良い判断を下せるようにします。
具体的な課題を設け、
選手たちにグループで議論します。
この過程は、
選手に新たな視点から問題解決する方法を学ばせチームワークとコミュニケーションスキルも
同時に向上させます。
また、練習中に選手たちを
異なる役割やポジションに配置することで、
彼らが普段とは異なる視点から
ゲームを見る機会を提供します。
これにより、
選手たちは自分たちの役割だけでなく、
チーム全体の動きや戦略についても
深く理解することができるようになります。
このような練習法は、
選手たちが考え、自立して問題に取り組む力を
育てるだけでないです。
彼らの創造性や革新的な思考を刺激します。
指導者として
選手たちが自身で考え、学び、成長する
環境を整えることは
彼らが将来、どんな状況にも対応できる選手になるための重要なステップです。
人生における大事な内容でもあります。
人生という枠組の中の一つの要素に
スポーツがあり、ハンドボールがあります。
ハンドの成長をするためには
人として、自身の人生を豊かにすることも
かなり大事になります。
選手主導の練習法
ヨーロッパでは、
選手が自ら練習内容を考え、
チームを率いるスタイルが一般的です。
これは選手の自立性、創造性、問題解決能力を
高めることを目的としています。
日本の伝統的「指導者中心」の練習と比較すると
選手主導の練習法は選手たちに
より多くの自由と責任を与えます。
自分が見た多くのヨーロッパのチームでは、
選手たちが自分たちの強み/弱点を分析し、
それを克服するための練習プランを立てることが奨励されている時期もありました。
このプロセスを通じて、
選手たちは自分自身のゲームを深く理解し、
より戦術的な視点を持つようになります。
選手主導の練習を取り入れることで、
指導者は選手一人ひとりのニーズに
より密接に対応できるようになります。
それが個人の成長、個人戦術の強さになり
チーム全体の能力向上につながります。
また、選手たちは設定した目標に対して
より強く叶えようと動くようになり、
モチベーションの向上が見込まれます。
このアプローチは、選手たちが
過程に積極的に関与することを促し、
学習の質を向上させます。
ヨーロッパの成功事例から学び、
選手主導の練習法を
自チームにも導入してみてはいかがでしょうか
この方法は、
選手たちがスポーツに対する新たな視点を作り
可能性を引き出す手助けのきっかけになります。
育成を重視した練習法
ヨーロッパでは、
選手の個々の成長と長期的な能力開発に
重点を置いたトレーニングが一般的です。
育成指導と呼ばれている指導方法ではなく
”文化”です。
これは、技術だけでなく、
選手の精神的、社会的な側面も
育てることを目的としています。
ヨーロッパの指導法では、
選手一人ひとりのニーズに合わせた
個別の目標設定や、
自己評価を促すプロセスが重要視されます。
これにより、選手は自分の強みと弱みを理解し、自らの成長を自覚的に追求するようになります。
また、チーム内での協力や
コミュニケーションスキルの向上にも力を入れ、
選手が社会的なスキルも
身につけられるようにしています。
多くのチームではプロである以前に、人として
何か一つ秀でていることを指導してました。
育成年代で教える90%はプロになれないです。
だからこそ、90%の未来の人材が
人生でも成功するように指導します。
ハンドボール以外のスキル
勉学、言語、資格、人生観、
経験、体験、もっとあるかもしれないが
それらが誰かのいつかの
人生のターニングポイントになる時に役立つかもね
自分のGKコーチは言っていました。
実際に自分はドイツで人生を変えてもらえました
最後に!
日本のハンド界は
”日本で”勝つことを求められることは多いです。
ドイツでは
”世界で”勝つことと人間育成が求められます。
その両方を指導していた
エコロジカルアプローチという内容を
ぜひ読んでほしいです。
本屋で見つけれなかったため
リンクを貼っています!