試合で使えるスキルを習得するなら
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ハンドボールのGKのスキルは
offensive skillとdefensive skillの
2つに分かれています。
offensive skillは
スローやリスタートなどの
OF時の球出しについてです。
defensive skillは
位置取り、構え、止め方などの
DF時のキーピングについてです
今回は
defensive skillのスキル習得について書きます。
https://www.ihf.info/sites/default/files/2020-03/H@S_booklet_0.pdf
IHF TEACHING HANDBALL
HANDBALL SKILLS AND TECHNIQUES
8.3 Basic Goalkeeping
[結論]
スキルを習得する時にGK 練習では
スキル単体の反復練習は絶対にしません。
アランマーレのGK練習では
毎回違う練習メニューで
スキル習得を図ります。
スキル単体の練習は
・キックだけするTR
・跳んで止めれだけのTR
反復練習は
同じ練習を2日以上続けることです。
「スキル単体の反復練習」をしない理由とは
①GKは複数のスキルを取捨選択する必要がある
GKはdefensive skillを使用する際に
OFの局面に合わせて使う必要があります。
ドイツでの所属チームでは
OFを4つの局面に分けていました。
1.OF開始局面[ボール奪取]
2.組織化、準備局面[きっかけ]
3.突破局面[シューターが決定する]
4.シュート局面[シュートが打たれる]
これらのOF局面に合わせて
GKのdefensive skillを使うと
このようになります。
1.OF開始局面[ボール奪取]
GK:スキル使用無し
2.組織化、準備局面[きっかけ]
GK:構え位置取りの準備
3.突破局面[シューターが決定する]
GK:構え位置取り
止める行為に体を使う準備
4.シュート局面[シュートが打たれる]
GK:止める行為に体を使い 当てる
このようにGKは
局面ごとにする使うスキルが変わります。
4つの局面に応じて3つのスキルを選択し
適切に使用しなければならないです。
そして
4つの局面であるOFは
同じ形でシュート局面にいくことはないです。
ボール奪取の方法やきっかけの種類
シューターの「ひと」と「ポジション」が
毎回変わります。
反復練習では
特定の局面のセーブの練習を繰り返すため
毎回変わるOFに対応できなくなります。
②スキルとは「判断」があって成り立つ
GKはdefensive skillを使用する際に
OFの局面に合わせて使う必要がある。
OFの局面に合わせて使うためには
瞬間的に見て、判断してから
スキルを選び、プレーに反映させます。
大きな括りのスキル3つあり
そこから選ぶことで
スキルがプレーに反映されます。
スキル単体で行う練習は
見て、判断して、選ぶという
行為がなくなります。
複数のスキル使う試合では
スキルを使用する前に問題が発生します。
どんな練習が効果的か
①動きを条件によって引き出す
手をあげる、あげ続けるスキルを
習得する際に言葉で
アプローチすることもあるかと思います。
しかし、自分の体験では
なかなか手が上がらないことの方が
多いかったです。
自身がドイツで学んだ方法は
練習に「条件」をつけて
意図的にその動きを生み出すものでした。
頭上にあるチューブを掴むという条件を
練習の要素に入れれば
手をあげるという動きが生まれます。
この動きは
指導者の指示ではなく
条件に適応する行動を取るため
選手が動いて得るスキルになります。
練習の「条件」に合わせて
自分の体で「試行する」ことで
スキルに近い動きを引き出します。
②「条件」を毎回変える
毎回「条件」を変える目的は
毎回変わるOFに対応するためです。
条件に応じて最適な動きや
効率の良い動きを生み出すための
「思考する」回数を増やすことができます。
手をあげる動きを
チューブとストレッチポールで行うとします。
チューブの場合
後ろ方向に引っ張られる力に対して
体幹部に力を入れながら
手をあげる動きができます。
ストレッチポールの場合
肩幅以上の腕の範囲で
ストレッチポールを掴むことで
自分の体よりも前で腕を扱いながら
手をあげる動きができます。
同じ手をあげるスキルでも
「条件」によって
違う部位や感覚に意識がいきます。
「条件」が変わった中でも
手をあげるというスキルができるように
適応するように「思考する」ことができます。
毎回「条件」を変えることによって
条件に適応しようと
「思考する」ようになります。
結論:試合で使えるスキルを習得するなら
アランマーレのGK練習では
毎回違う練習メニューで
スキル習得を図ります。
1週間、2週間、1ヶ月、3ヶ月の
単位の中で同系統のGK練習の中で
条件を変えます。
適応しようと「思考する」回数と
適応した動きで「試行する」回数を
「条件」提示によって増やすことを意識してます。
GKコーチが教えるではなく
GKコーチの「条件」提示によって
選手がスキルに近い動きを
毎回違う動きで行うように促します。
これがアランマーレのGKが
毎回変わるOFに対応するスキルを
習得するために行なっていることです。