SNSや会場で多くの方に
アランマーレの試合や練習を見ていただいて
よく言われることがあります。
「チームGKが楽しそう」
「いつも笑っている、見ていて気持ち良い」
一方でDMではこのような内容も言われます。
「実業団だから真剣にやれよ」
「楽しいで勝てると思ってるの?」
今回はハンドのTOP機構で活動していて
”楽しさ”を追求する理由を書きます。
こんな指導者に見てほしいです。
- ハンドボールの楽しさを広めたい
- ハンドを通して
人としても成長してもらいたい - 楽しさと結果を両立させたい
それでは見ていきましょう!
”楽しさ”を追求する2つ理由
まず始めに「実業団コーチ」としてではなく
「コーチ」として
”楽しさ”を追求する理由について話します!
1.「楽しいからハンドに関わる」人の数が
増えてほしい
2.ハンドボールを通して「幸せ」になってほしい
1.「楽しいからハンドに関わる」人の数が増えてほしい
ドイツのブンデスリーガのプロシステムには
人の数が必要という話をしました。
詳しくはこちら↓
「楽しい」という感情は
自発的な継続する価値につながると
考えています。
選手が「楽しい」から
技術の向上や選手の価値を高めようとします。
また、ハンドを続けようとします。
→面白くないことをもっと上達しようとは
ならないはずです。
コーチが「楽しい」から
指導により良い影響を与えるようななります。
→自分が幸せではない指導者が
選手に良い影響を与えれるのは難しいです。
観客が「楽しい」から
次の試合も見に行こうと何回も来てくださり
「ファン」としてチームを支えてくれます。
→見ていて面白くないものを
もう一度観に行こうとはならないはずです。
選手に楽しんでプレーする
コーチ自身も楽しんで指導する。
観客が見ていて楽しめるような試合にする。
下部組織から繰り返される
「楽しい」という感情が
自発的な継続する価値に繋がると考えています。
2.ハンドボールを通して「幸せ」になってほしい
ドイツにいた時のチームでは
ドイツ、北マケドニア、コソボ、クロアチア
スロベニア、フランス、スイスなど
多くの国の選手、スタッフと関わりました。
チャレンジできない。
周りと比べてしまう。などなど
”自己肯定感が低い”理由の一つとして
世界でも珍しく育成年代の指導者が
”体罰” ”罵倒”で指導する文化が
1つの原因だと考えています。
怒って指導している指導者は
ドイツにもいました。
それを実際に見たのは
「負けたら職を失う」プロチームの指導者
でした。
育成年代で”体罰””罵倒”指導をしている人は
ドイツの自分の周りにはいませんでした。
自分のチームでは
「人としての過ち[イジメなど]をしなければ
スポーツ指導で怒ることはしないで」
と最初に言われました。
選手が自分のペースでスキルを磨き
選手としても成長する過程で
1人の人間として”幸せ”を獲得できるようにする。
指導者の発言/指導一つで
人を幸せにすることができる一方で
自己肯定感が下げることもできます。
自分が指導者になるなら
ハンドを通して人を幸せにしてあげたい
と思い
”楽しさ”を追求するようにしています。
これが自分が”楽しさ”を追求する理由です。
”楽しさ”の指導で意識してこと GK指導の実践例
1.結果よりも「過程」で評価する
2.成功したことに焦点を当てる
の2つを組み合わせるようにしています。
CPの実力が均衡してると仮定して
GKのセーブ率は35%で
1〜3点差で勝てます。
結果だけで見ると
35%はセーブ[成功]しているが
65%は失点[失敗]していることになります。
例えば位置取りをPVに合わせる
という指導の過程についてです。
初心者であれば
左右の位置取りがシュート範囲に入る過程を
評価します。
中級者であれば
左右の位置取り+前に出ることで
シュート範囲に入る過程を評価します。
上級者であれば
左右の位置取り+前に出ることに加えて
相手状況から止め方を反映できた
過程を評価します。
もし結果に焦点を当てるなら
セーブ率は
初心者の位置取りで5%
中級者の位置取りで15%
上級者の位置取りで25%になります。
1.結果よりも「過程」で評価する
2.成功したことに焦点を当てる
両方同時にすることで
”楽しさ”が追求できると思います。
失点した悔しさやできなかったことは
わざわざ指導者が言わなくても
自分で気づいていることの方が多いです。
実業団で”楽しさ”を追求する理由
楽しくハンドをして「勝つ」
アランマーレの「チームGK」が
GK指導のロールモデルの一つに
なってほしい。
楽しいを追求する一方で
実業団である以上”結果”も求められます。
「楽しさ」と「良い結果/強さ」は
日本では反対の事柄として
捉えられているように感じています。
「良い結果/強さ」には厳しさが必要だ!
もっときついトレーニングで強くなる!
などです。
もちろん、楽しいだけで結果が出せるほど
スポーツの世界は甘くないと思います。
厳しさ、キツさという部分では
日本の下部組織の指導は
相当厳しい、きつい指導をしてます。
長時間練習に、指導者の”体罰””罵倒”など
日本は強くなってきているが
世界で結果を出せているとは
自分は思わないです。
日本のハンドボールが
世界でより持続的に強さを出すには
「過程」を変えないといけないです。
自分にできる過程は「指導」です。
「楽しさ」という
持続的な人の数を増やすことをしつつ
「結果を出せる強さ」を求めます。
今までの指導者とは違う道だと思っています。
自分が大学3年で指導者の道筋を考えた時には
感じていたことです。
だから、楽しさと結果の双方にアプローチした
ドイツのGK理論を学びにドイツへいきました。
「ドイツのGK理論」によるGK指導で
「楽しさ」×「良い結果/強さ」を実現して
GK指導のロールモデルの一つにしたいから
実業団でも”楽しさ”を追求します。
真面目にふざけてます。
真剣に楽しみます!
日本で”GK指導理論”を学ぼうとした時
大学3年で「プロの指導者」になると決めた時に
調べ不足かもしれませんが
プロのGK指導者としての前例や
GKの指導書や指導に関する内容はなかったです。
自分はDHB[ドイツハンドボール協会]や
EHF Education[ヨーロッパハンドボール協会]の
英語やドイツ語の資料を翻訳して読みました。
言葉や映像ではわからないこともあり
大学3年の冬に短期ドイツ留学
卒業後に1年間ドイツ留学をしました。
現地で体験した、経験した、実際に指導した
GKの理論、指導方法、GKの知識を
現在の自分の指導に役立てています。
現在の日本にも
「GKの指導」に対して書かれた資料は
ほとんどないです。
指導方法についておすすめの本
今の日本では指導を学ぶ環境がないのが
現実だと思います。
しかし、
ある方から紹介された本はお勧めします。
実名は公表できませんが、日本のハンドの論文を
読んでいれば一度は名前を見たことがある方です。
2023.11月時点で唯一と言っていいです。
ドイツの環境と似たような内容が
理論的に日本語で書かれている本があり
正直びっくりしました。
スキルを教えるために、
スキルを指導しない。
制限や環境によって
自然発生的にスキルを習得する。
サッカー中心の内容ではありますが
サッカー以外の研究や指導も取り上げています。
指導者向きの難しい内容かつ
経験しないとイメージできない内容もあります。
ハンドに応用できることはたくさんあります。
自分の学んだハンド指導は半分くらいは
この本の内容に書かれているものでした。
高校/大学生の時に実際に読んだ本
今も指導に活かしている内容の本はこの3つ!
陸上競技ハードルでオリンピックに3回出場した
為末さんが書いた本です。
子どもにわかりやすく
スポーツと自分と人生に向き合う考え方や工夫が
書かれている内容です。
富山大学教育学部教授の横山さんが書いた本です。
2005年の本でコーチングについて
ドラえもんのセリフや言動とともに
書かれている内容です。
今まで読んだ本の中でコーチングに一番影響しているのが
この本です。
日常でやりがちな
やってはいけない声かけと
子供の心情が書かれいます。
どのように声かければ良くなるのかの実例もあり
指導者だけではなく、
親子さんにも手にとってもらいたいです。